30代に入り、病状が改善。正社員の仕事を探したが、今度は年齢がネックになった。悩んだ末、デザインの道をあきらめ、派遣で働くことを決めた。
このとき、メグミさんは自分が派遣で働けるとは思わなかったという。専門的な技能や知識を持つ人の仕事というイメージがあったからだ。この認識は正しい。労働者派遣はもともとソフトウェア開発や通訳、添乗員といった一部の業種に限られていた。
その後、1990年代後半~2000年代前半に企業側からの要望を受けて、規制緩和が進んだ。メグミさんが派遣社員になったのは、ちょうど多くの業務で派遣が解禁されたタイミングだった。
「このときは仕事にありつけたことが、本当にありがたかったです。がんばれば正社員にもなれると聞いていたので、必死に努力しました」
正社員登用試験は受けられず
実際、メグミさんはがんばった。
その結果、それまで正社員が担っていた仕事を任され、他部署ではたびたび正社員に間違われた。上司の中には正社員になれるよう、社内で働きかけてくれた人もいたという。最終的に年収は400万円を超えた。しかし結局、正社員登用の試験は受けることすらかなわなかった。
長年働いた派遣先を雇い止めにされた原因は、新しい上司との相性の問題だったようだが、メグミさんは「でも、正社員はそんな理由でクビにはなりませんよね」と言う。

