メグミさんは「そもそも派遣に関する法律や制度は抜け道だらけ」と指摘する。
2000年代なかば、派遣社員として働き始めた当初は、仕事があるときだけ労働契約を結ぶ登録型派遣だったが、ほどなくして長期で働いてほしいという派遣先の要望を受け、派遣元から特定派遣(2015年に廃止)に切り替えるよう打診された。特定派遣は派遣労働者の安定雇用などが目的で、期間の定めのない雇用などを意味する常用雇用契約を結ぶ。
しかし、実際の契約は安定とは名ばかりの1年有期。その後、正社員契約への変更を提案されたが、同時に年収約360万から約300万円への大幅ダウンを提示された。仕事ぶりが認められたメグミさんの時給は少しずつ上昇、ようやく同360万円に達したところだった。
にもかかわらず、「正社員になるなら、約60万円カット」が条件だと言われたのだ。
果たしてメグミさんは正社員契約の誘いを断った。「ここまで待遇を悪くされては断るしかありません。安定雇用になるよう声掛けはしたというアリバイづくりのための提案だったとしか思えません」と憤る。
脱法的な「無期転換ルール」
有期雇用の契約期間が5年を超えると無期雇用にできる「無期転換ルール」をめぐる対応は、さらに脱法的だった。
メグミさんは改正労働契約法の施行を受け、2018年4月、それまでの1年有期から無期雇用になった。これにより、派遣先がない期間も一定額以上の手当てが出るはずだった。
しかし、派遣社員たちの間では「2カ月間、派遣先がない場合は退職させられる」という“噂”があったという。ためしに派遣元の担当者との面談の際にカマをかけてみると、「派遣先からの収入がないのに、いつまでも雇っていられませんからね」と、噂を肯定する答えが返ってきた。名ばかりの無期雇用である。

