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北海道・道東の中学受験塾のない町から、東京の私立中受験を目指した一家がいる。一番近い札幌の中学受験塾までは約400km。一家はどのようにして遠隔地から中学受験(以下、中受)に挑んだのか。
前編では、この家族が取り組んだ、通信教育を軸に必要な教育サービスを組み合わせる「トッピング中受」を紹介した。後編は超遠隔地からの受験のリアルを紹介する。
転勤の可能性をきっかけに、考え始めた中受
2023年10月、金曜日の午後10時過ぎ。真っ暗な海辺の町のバスターミナルから夜行バスに乗り込む母と小学生の娘の姿があった。目的地は約400km離れた道都・札幌。約8時間かけて、2泊3日の日程で塾の模試を受けに行くのだ。
バスに乗り込んだのは、佐々木恵さん(仮名)と長女の杏さん(同)。佐々木さん一家は夫婦と、杏さん、次女の4人暮らし。竜也さん(同)は北海道の会社に勤め、北海道内や東京などを数年ごとに転々としていた。
中受を考え始めたのは杏さんが小4のとき。転勤族の竜也さんが、再び転勤する可能性が高かったからだ。首都圏などの中学校を調べてみると、公立中だけではなく、私立や都立、国立の中高一貫校などさまざまな選択肢があると知った。
佐々木さんの妻、恵さんが言う。
「幼稚園、小学校と転校続きで友達づくりに苦労しました。中学校の入学式まで一人だとかわいそうだなと。中学、高校と同じ友達と過ごせる一貫校はいいなと思いました」
中学、高校と6年間学ぶ一貫校の特徴は、高校受験がないことだ。10代の多感な時期に好きなことに打ち込める。各校が独自の教育方針をとり、子どもの特性に合った学校を選べるのも魅力だ。
そうした背景から首都圏の中受人気は根強い。首都圏模試センターによると、26年の首都圏の私立・国立中の受験者は5万2050人。少子化の影響で、3年連続で減ってはいるが、受験率は18.06%と高水準が続く。およそ5人に1人が中受する計算だ。

