しかし過度な節税策として国税庁が問題視し、ルールは改正された。評価額が市場価格の6割に達しない物件については、一律で時価の6割まで引き上げて評価されることになったのだ。
これを受けて、世間では「タワマン節税はもう終わった」という論調が広まった。しかし、これは早計とも言える。1級FPの視点から言えば、この改正はむしろ「最大4割の資産圧縮効果を国から公認された」と捉えることもできるからだ。
富裕層の相続対策「鉄則とも言える2原則」
ここで、富裕層の相続対策について、鉄則とも言える2原則を紹介したい。
② 不動産で相続する場合は共有状態(所有者が2人以上である状態)を解消しておくこと
この2つだ。
私が試験を受けた1級FPの実技試験(面接)では、富裕層への相続対策が必ず問われる。そのときに頭に入れておかなければならないのがこの2原則だ。
まず、なぜ「①現金ではいけない」のか。
現金1億円を銀行口座に寝かせておけば、相続時には当然1億円として評価され、多額の相続税がのしかかる。しかし、その1億円をマンションという実物資産に換えておけば、計算上6000万円まで評価を圧縮できる。
依然として4000万円分もの評価減が合法的に認められている事実は、富裕層にとって十分すぎるメリットだ。仮に相続税の税率を30%とすれば、現金をマンションに置き換えるだけで約1200万円もの納税額を合法的にカットできる計算になる(もちろん、マンションでなくても土地でもよいのだが、地方の富裕層はすでに多くの土地を持っている)。

