打ちたての麺を味わえることは客にとって魅力的だが、実は原価を抑えるうえでも大きな役割を果たしている。
店内で製麺すれば、工場から店舗へ麺を運ぶための物流費や包材費はもちろん、工場の賃料や機械の稼働費もかからない。工場で製麺した場合はこうしたコストが上乗せされ、原価は2倍以上に膨らむという。
ちなみに、丸源ラーメンの麺はセントラルキッチンで製造されている。源次郎でも同じ方式を採用しないのかと廣瀬さんに聞くと、「うどんの麺は繊細ですから」との答えが返ってきた。
うどんの生地は夏はだれやすく、冬は硬くなりやすい。生地の状態が気温に左右されやすく、安定した状態での輸送が難しいのだ。将来的にチェーン展開しても、店内製麺にはこだわっていくという。
肉の調達においては、焼肉きんぐなどで日々肉を仕入れているグループの調達網を活用。大量に仕入れることでコストを抑えている。
また、店内で削りたての鰹節も、原価を抑える一助となっている。
コストのかかるこだわりに見えるが、廣瀬さんいわく「削り機で削ると0.02ミリ。ふわふわで食感が良い分薄いので、原価にはやさしいんです」とのこと。同じ状態の鰹節を仕入れるとなると、3倍はかかるそうだ。
揚げ玉も同様で、出来上がったものを仕入れると原価が跳ね上がるため、店内で揚げることでコストを抑えている。
「圧倒的なバリューで多くの客を呼び込む」
こうした細かな原価コントロールを行いつつ、前提にあるのは「圧倒的なバリューで多くの客を呼び込む」という考え方だ。そのバリューの象徴が、4玉まで同一価格という設定や素材へのこだわり、きめ細かなフルサービスである。
「極端な話、売れなかったら間違いなく採算はとれません。でも、圧倒的なバリューを提供することでたくさんのお客様に来ていただければ、着実に収益につながっていく。それを見越しているんです」
原価を抑える工夫とバリューの創出。この両輪が、客単価1000円を可能にしているのだ。

