かたや、フルサービス市場の規模はセルフ市場の約3倍だが、上位ブランドのシェアはわずか1割強にとどまっているという。圧倒的なシェアを持つブランドが存在しないフルサービス市場に、参入のチャンスがあると判断した。
だが、参入余地を見出したとしても、そこで勝ち残れるかは別だ。他とは違う明確な強みを打ち出さなければ、数あるうどん店に埋もれてしまう。そこで、廣瀬さんはこう考えた。
「セルフ式のうどんチェーンに対して、お客様が感じている不満や物足りなさを徹底的に解消できるような店にしよう。それこそが差別化になると考えました」
セルフ式に対する不満は、大きく2つあると分析した。まず一つは「安さが売りのはずなのに、お腹いっぱい食べることが難しくなっている」ことだ。
今や、うどんに天ぷらなどのサイドメニューを追加すれば、会計があっという間に1000円を超えてしまうのは珍しくない。大盛りにしたり、さらに一品加えたりすれば1500円近くになることもある。
うどんチェーンで1000円以上払うのは難しいと、注文の品数や量を抑えている客も多いのではないか。廣瀬さんは、そこに「本当はもっと食べたいのに、価格を気にして我慢せざるを得ない」という不満があると見た。
もう一つは、「セルフであること自体が、不満の原因になっている」ことだ。
例えば、子連れ客がベビーカーを押しながら大きなお盆でうどんを運ぶのは容易ではない。注文から会計までの流れを複雑に感じ、足が遠のいてしまう年配客もいる。
「気軽に利用できるイメージのセルフ式ですが、その仕組みがかえって負担になっているケースも少なくないんです」
セルフ式チェーンの不満を徹底的に解消
源次郎は、セルフ式のうどんチェーンに対する不満を徹底的に解消することを目指して立ち上げられた。
最大の特徴は、うどんを「4玉まで同一価格」で提供していることだ。
看板商品「霧島黒豚の肉讃岐うどん」(税込869円)をはじめ、どのうどんメニューも1玉から4玉まで自由に選べて、追加料金は一切かからない。

