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株主から厳しい批判、社長が謝罪も…「300万円の壁」「新運賃体系」を設置した《ANA》に欠けていた視点

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ANA
企業がロイヤルカスタマーを優遇する流れが加速しています(写真:CHAI/PIXTA)

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6月に参加した2社の株主総会で、奇しくも同じ不満の声を聞くことになった。品のない言い方をすれば、利用者に「上納金」を求める制度についてだ。いや、上納金とは言い方が悪い。ロイヤルカスタマー主義、つまり「お金をたくさん使ってくれる顧客を優先します」という企業方針が、物議を醸している。

その1社目は、ANAホールディングス。批判が殺到した「ANAスーパーフライヤーズカード(SFC)」の制度変更について、株主からも事前質問が殺到したという(これだけでなく、後述する新運賃制度および予約システムの混乱についてもだ)。

ANAマイラーの方はご存じだろうが、せっせとANA便を利用して“マイル修業”をし、必要な条件を満たせば上級会員向けクレジットカード「ANAスーパーフライヤーズカード」を取得できる。

数ある優待サービスの中で、とりわけ人気なのがラウンジの利用だ。これまではカードの保有のみでよかったのが、新制度では新たな条件が加わった。それが「300万円の壁」である。ラウンジを利用するには、ANAカード・ANA Payによる年間300万円以上の決済が必要になったのだ。

その額に満たない会員は「(ラウンジは)ご利用になれません」とにべもない。しかも、その判定は毎年行われるという。将来にわたって毎年300万円を使い続けてくれるお客様だけを対象とするというのだから、あからさまな“区別”を感じる。

「300万円の壁」は実現可能だろうか。単純に月割りにすると25万円となるが、総務省の家計調査によれば35~39歳以下の消費支出(今年の5月分)が28.8万円だから、家賃を含めた生活費のほぼ全額をカード払いすれば可能かもしれない。

しかし、楽天カードやらPayPayカードやらを全く使わず、ANAブランドの決済方法だけで達成するというのはなかなかのハードルだ。高額消費をいとわない気前のいい富裕層ならまだしも……いや、そうした富裕層だけをラウンジに集めたいわけですか、と庶民なら怒りを覚えるだろう。物価高に苦しむこのご時世に、空気を読まない改正よと叱られるのは当然だ。

株主総会で社長がお詫びする事態に

ANAの騒動はこれにとどまらなかった。5月から導入した運賃体系も混乱を招いた。

シンプル・スタンダード・フレックスからなる3段階の運賃のうち、最も安く利用できるシンプルでは出発時刻24時間前になるまで座席指定ができない。「本当に予約できているのか」「空港に行ってもシンプルは席がないのではないか」「家族が並びで席を取れないのでは」等々、不安の声が噴出した。

これもSFCと根っこは同じで、「金払いのいい客から優先し、安く乗りたい客は後回しでいい」と見えてしまったことへの怒りだろう。

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