日本のスマートフォン市場で、シャープは今も主要メーカーの一角を占めている。2023年7月には台湾、インドネシア、追ってシンガポール市場への本格参入を発表し、日本メーカーとしては数少ない海外展開の本格化として注目を集めた。それから3年、実際に海外ではどのようなアプローチで市場に向き合っているのか。台湾を訪れ、現地でAQUOSスマートフォンの現在地を確認してきた。
「AQUOS復権」が見えてきた台湾市場
台湾のスマートフォン市場は、日本とは構造が異なる。SIMフリーモデルが基本であり、メーカーが販売する端末を、家電量販店やオンラインストア、通信キャリアがほぼ同条件で扱う。消費者は家電店でもキャリアショップでも、基本的に同じ端末を同じ価格帯で選べる仕組みだ。キャリアで通信契約とセットにすればスマートフォンの割引は受けられるが、もともとの通信料金が安いため、日本のような極端な値引き販売は見られない。
この”開かれた市場”で人気のトップに立つのはアップルのiPhoneである。その後をサムスン、そしてOPPOをはじめとする複数の中国メーカーが追う構図だ。台湾企業もスマートフォンを展開しているが、PC大手のASUSはここ1年新機種を投入しておらず、XR事業を主軸とするHTCも撤退を明言してはいないものの、最後のスマートフォン発売からすでに2年が経過している。
こうしたなかで日本メーカーのソニーとシャープは、台湾市場に現在もコンスタントに新モデルを投入し続けている数少ない存在だ。シャープは日本と同じAQUOSシリーズを展開しており、ハイエンドの「R」シリーズ、ミドルクラスの「sense」シリーズ、価格を抑えた「wish」シリーズを、日本発表から大きなタイムラグなく台湾市場に送り込んでいる。

