そんな中、メンタルクリニックで受けた知能検査がひとつの転機となった。すべての項目において、知的レベルは標準的な数値を大きく超えていた。とくに、言語能力に関する指標は、145を超えていた。今から3年前、やおとさんが30歳の時だった。
高IQ団体で見つけた居場所
知能検査の結果をもとに、高IQ団体に入った。団体のオフ会に参加し、最近は自分でも集まりを開いている。主催するイベントは「知能についての座談会」「『先生役』と『生徒役』に分かれ、興味のあるテーマについて授業をする会」といった真面目な雰囲気のものから、気軽な飲み会やボードゲームの会まで様々だ。筆者も参加したことがあるが、和気あいあいとした空気が流れるあたたかな会だった。
高IQ団体での交流には、充実感を覚えているという。
「やっぱり話が合う人が多いです。普通の趣味の話とかでも、推測する能力が高いのか、みんなスムーズに進むんですよ。別に、自分たちが賢いという意味じゃなくて。思考パターンとかが似てるんでしょうね。だから、会話するときに余計なことを説明しなくていいのがすごく楽で、ストレスも少ない。自分ってやっぱ面倒くさがりなんですよね」
やおとさんの話から思い浮かんだのは、「IQが一定以上違うと話が通じない」という俗説だ。あくまで筆者の推測だが、「通じない」というよりも「通じ合おうとすると大変」といったほうが近いのではないだろうか。
実態としては、決して「通じない」わけではない。しかし、(もちろんギフテッド当事者に限った話ではないが)「自分が容易に理解できる話が、たくさんの手間をかけないと他者に伝わらない」「自分の考えが誰かにスムーズに届くことがとても少ない」という人生は、非常にストレスフルで疲れるものなのだ。

