高度経済成長期に整備された団地では、40㎡台の住戸も少なくない。団地の課題というと、建物や設備の老朽化がまず思い浮かぶが、住戸の広さや間取りそのものが、現在の暮らしと合いにくくなっている場合もある。
いまの住宅では当たり前に思える室内洗濯機置き場や独立した洗面脱衣室も、従来の団地住戸では十分ではないことがある。そこに、リモートワークができる場所など、新しい暮らしの要素も加わってきた。限られた面積の中で、これらの空間を後から確保するのは難しい。
45㎡前後の住戸では対応しにくくなった暮らしに、90㎡という広さで応える。それが公社の「ニコイチ」という住戸改修だった。
若年層や子育て世帯を呼び込む「90㎡の住戸」
「団地の住戸というと、どうしても暗くて狭いというイメージがあるかと思います。洗濯機を室内に置くことが前提ではなかったり、脱衣室や洗面所の空間が十分でなかったりしていました。そうした中で、2戸をつなげれば、課題を解消しながら広さも生まれる。広い空間なら、さまざまな使い方もできる。そこを打ち出していこうと、ニコイチが始まりました」
2015年、ニコイチは公社の事業として始動した。堺市の茶山台団地から始まり、寝屋川市の香里三井団地、香里三井B団地、香里三井C団地にもつくられた。さらに茶山台B団地、高槻市の下田部団地にも展開され、公社全体で計48戸が供給されている。


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