前編では、熊本県水俣市の国道3号沿いにある「エムズシティ」の現状と歴史を伝えた。「エムズシティ」の前身の「寿屋水俣店」は、すぐ近くの競合である生協の「水光社」に押されて苦戦するなか、寿屋が民事再生法を申請したことで2002(平成14)年2月に閉店した。
その後、水光社が寿屋の入居していた建物と土地を買収して2003(平成15)年3月、「エムズシティ」としてリニューアルした。しかし店舗が閉店・移転し、現在は6フロア中、半分の3フロアが閉鎖された状態となっている。
背景には、近隣店舗との競合にとどまらない都市間競争が潜んでいる。本稿では、この都市間競争について深掘りしていく。
水俣に勝った八代のモールも廃墟化が進行
水俣市はチッソの前身である日本窒素肥料の工場進出を機に、農漁村から企業城下町へと変貌して発展した街である。西側に八代海、南側に丘陵地があることから地理的に分断され、独立した商圏が形成されていた。

