ところが、2階へ上がると異様な光景が広がる。直営売り場は埋まっているものの、専門店エリアは空き区画だらけ。「FOOD COURT」の大きな看板が掲げられているが、フードコート内の飲食店は全滅し、無料の休憩所と化している。人の姿はあるが活気はなく、さみしい雰囲気が漂っている。
「イオン八代ショッピングセンター」は、約半年後にオープンした「ゆめタウン八代」との戦いに敗れたと言っていいだろう。ゆめタウンは広島市に本社を置くイズミの運営するモールで、西日本に展開されている。
「イオン八代ショッピングセンター」と「ゆめタウン八代」間は車で10分もかからないほど近い。「イオン八代ショッピングセンター」は店舗面積約2万3000m²、専門店75店舗、駐車場約1800台に対し、「ゆめタウン八代」は店舗面積約2万8000m²、専門店90店舗、駐車場約2200台とより大きい規模でオープンした。
現在、「ゆめタウン八代」にはユニクロ、GU、デコホーム、ダイソーなどの大型店がそろい、空き区画はほとんどなく、平日でも活気が感じられる。小さな子どもを連れた買い物客も多い。
八代市が地元だというタクシー運転手に両モールについて尋ねると、「イオンとゆめタウンでは規模が全然違いますからね。ゆめタウンのほうが大きくて何でもそろう。それにゆめタウンには屋根の付いた駐車場もあるから、雨の日や暑い日はいいんです」と話してくれた。さらに「若い方はイオンモール熊本まで行っているかもしれませんね」とのことだった。
さらに巨大なモールへ買い物客が流出
八代市の大型モールは水俣市から買い物客を奪ったが、その八代市の買い物客は周辺地域のさらに大型のモールに流れているのである。
このことは『熊本県消費動向調査報告書』でも明らかになっている。2006(平成18)年度の報告書では八代市において、「大型SCの新規出店などに伴って、地元購買率は上昇に転じた印象を受ける」と書かれている。

