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「おもちゃ屋で売れず、書店で即完売」累積赤字8000万円、奈良の山奥発パズル玩具が世界28カ国に広がった真相

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LaQ
LaQで作られたロボット(写真:筆者撮影)
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「LaQがどのように学問に影響を与えるかの研究はまったくしていないので、因果関係が本当にあるかはわからないんですけどね。機会があれば、調べてみたいなとは思っています」(米屋さん)

始まりは「ビールの栓抜き」だった 

子ども達のさまざまな力を養うLaQは、ある男性のひらめきから誕生した。それが、ヨシリツ社長の吉條宏さんだ。

1973年、当時30歳だった吉條さんは、家業の牛乳販売業を手伝っていた。だが、「この先どうなるかわからない」と、家業の経営の先行きに危機感を抱き、新規事業を探っていた。

するとある日、大好きなビールを飲んでいたときに、ひらめいた。

「ビールの蓋を簡単に開けられる道具があったら、面白いのに──」

すぐに開発に乗り出したものの、満足いく商品になかなか辿り着けなかった。ようやく完成したときには、構想から10年の歳月が経過していたという。

1983年、ビールの栓を取るから「セントル」と名付けられたアイデア栓抜きを手に、吉條さんは会社を設立した。社名は、「ヨシリツ」。「吉野で独立する」から付けたそうだ。

本社外観(写真:ヨシリツ)

セントルの販売は最初こそ苦戦したものの、3年ほどで軌道に乗り出した。大手ビールメーカーがキャンペーン時の販促品として取引してくれるようになったのだ。何十万個という注文が一気に入ることもあった。しかし、販促品という特性上、受注には波がある。大量注文に備えて従業員を増やして生産体制を整えても、受注がピタッと止まれば経営は一気に苦しくなる。

セントルは海外からの受注も増えつつあった。それでも吉條さんは、安定した収益を確保できる商品がないか、くる日もくる日も考え続けていた。

そしてある日、ひらめいた。

「サイコロのような六面嵌合(ろくめんかんごう)のブロックがあれば、面白いのでは──」

六面嵌合とは、「6つの面がピタッとはまる」という意味だ。このひらめきが、現在のLaQにつながる。しかし、当時は玩具の開発をするつもりではなかったという。

「はじめは、大人を対象とした小物入れや置物などが作れる、六面嵌合のブロックを検討していたようです。すぐに試作品を作ってみたけど、できあがった試作品は非常に重く、あらゆる表現ができるブロックとの理想とは程遠かったと聞きました」(経営管理部・執行役員 河部勇さん)

思い通りにならず、何度も試作を重ねる。サイコロ状のブロック同士をくっつけようとしても、うまくいかない。試行錯誤していたある日、発想が変わった。

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