オフィスで仕事をしていたら、背後の窓でさっと影が動いた。カラスが飛んできて窓辺に止まったのだ。
くわえていた何かを置き、足で踏んで、くちばしを振り上げかけたところで、カラスはこっちを見た。ガラスを隔てているが、私との距離は2mもない。
「……」
1、2秒見つめあった後、カラスは慌てて飛び去っていった。
残されたのは、切り口がきれいな「サバの頭」
あとに残っていたのはサバの頭だ。切り口がきれいだから、包丁で落としたもの。捨てられた生ゴミを拾ってきたのだろう。
サバの頭は日が暮れてもそのままだった。翌朝出勤すると消えていたので、カラスが早朝に回収したのだろう。
ちなみに「窓辺にサバの頭」というシュールな絵面はそれなりにウケたらしく、SNSに投稿したら軽くバズった。
カラスはゴミを漁る。これはもう常識と言っていい。ゴミ以外のものだって普通に食べているのだが、ゴミ漁りのイメージが強すぎるのか、ツバメの卵や雛を捕食すると「なんて凶暴な!」などと言われたりする。一方で家庭菜園のトマトや果樹を「イタズラする」とも言われる。
だが、カラスは別に凶暴なわけではないし、やっているのはイタズラでもない。カラスが極端な雑食性で、スカベンジャーでもあるだけのことだ。

