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オフィスの窓辺に「サバの頭」の置き土産…《カラス天国》東京で、ゴミを漁るカラスと人間の"共同生活"に生じた異変

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カラス 焼き芋 ナゲット
今日のごはんは焼き芋、ホイップクリームにナゲット。こんな日はいつまで続くかな?(イラスト:タナカケンイチロウ)
  • 松原 始 動物行動学者、東京大学総合研究博物館・特任准教授
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まず、雑食について。カラスが食べるのは昆虫などの小動物と果実類が基本だから、雑食である。

というか、鳥の多くは雑食だ。例えばスズメは昆虫も食べるし、穀物(より専門的に言えば、草本植物の種子)も食べるし、果実も食べる。ヒヨドリやツグミもそう。メジロも昆虫、果実、花蜜を食べるから雑食だ。

ではツバメの巣を狙うカラスは凶暴か?

その前に、ツバメを考えてみよう。小さくて可愛らしいが、昆虫しか食べないので立派な肉食専門である。そこだけを切り取ればワシやタカと変わらない。

ただ、カやハエに肩入れする人間はいたとしても極めて少数なので、ツバメが非難されることはない。カラスの場合、もう少し大きい餌を狙うため、人間が餌のほうに肩入れしがちなのが嫌われる理由である。

なお、卵や雛を狙うのは、カラスの捕食能力がお粗末だからだ。大した攻撃力がないので、あまり大きいものや素早いものは狙えないのである。

頑張ればハトくらいまでは捕食できるが、猛禽と違って一発で仕留めるような武器がないので、なかなか成功しない。タカなら強力な爪をたたき込んで、ハヤブサなら頚椎をかみ切って、瞬時にトドメをさせるが、カラスにはそういう必殺技がない。

生ゴミは立派な「大型動物の食べ残し」

そして、スカベンジャー。

スカベンジ(scavenge)とは「掃除する、さらう」といった意味。スカベンジャーは掃除屋である。動物の死骸や、捕食者の食べ残した残滓を漁るのがスカベンジャーだ。つまりハイエナやハゲタカだが、カラスもこの役目を担っている。

卑しいものとされがちなスカベンジャーだが、落ちているもの、使われずに打ち捨てられているものを上手に利用するのは別に恥じることではない。廃棄された家電からレアメタルを回収するのと同じである。

さて、都市の主役は人間だ。その人間は日々なにかを食べ、その残滓をゴミとして回収に出す。生ゴミは立派な「大型動物の食べ残し」だ。

だから、カラスは本来の習性に従って、ゴミを漁る。ゴミ袋に生ゴミが入っているのと、行き倒れて死んでいる動物の皮の下に肉があるのとは、カラスにとっては大差ない。

以上をまとめると、カラスが小鳥の巣を狙うのは雑食だから。トマトを食べるのも雑食だから。ゴミを漁るのはスカベンジャーだから。このように、生物学的には単純に整理できる。

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