このほかにも5試験・598人の解析では、マラソンランナーやスキーヤー、寒冷地で訓練する兵士のように、短期間に強い身体的ストレスを受ける人では、ビタミンCの摂取で風邪のリスクが半減していました。
具体的には、スポーツ選手であれば、1日0.25g(250mg)をレース6週間前からレース後2週間まで摂取する、兵士であれば訓練中に1日1gを2〜3週間摂取することで、効果が出ていました。
つまり、特殊な負荷がかかる状況では有益な可能性があるわけです。
では、風邪をひいてから1日1〜8gといった高用量のビタミンCを摂ることの効果については、どうでしょうか。残念ながら現在、これについてははっきりしたデータはありません。一部の試験では有益性が示唆されていますが、広く勧められる段階ではありません。
がん、美容と免疫のエビデンス
■がん予防とビタミンC
がん予防については、野菜や果物を多く食べる人では、いくつかのがんの発症リスクが低いという観察研究があります。例えば、食事からのビタミンC摂取量が1日0.1g(100mg)増えるごとに、すべてのがんで7%低くなるという報告もあります。
ただし、これは食事から摂ったケースなので、ビタミンCだけの効果とは限りません。
野菜や果物をたくさん食べる人はビタミンCだけでなく、食物繊維やカリウム、ポリフェノールといった成分も多く摂っています。さらに言えば、食事でビタミンCを摂るよう気にしている人の場合、喫煙の有無や運動習慣、健康意識が違うかもしれません。
つまり、ビタミンCは“健康的な食生活全体の目印”である可能性があり、その結果、病気を遠ざけているとも考えられるのです。
では、サプリによる効果はどうなのでしょう。
被験者となった男性医師がビタミンCのサプリ0.5g(500mg)を毎日摂取して、その経過を観察したランダム化比較試験が発表されています。しかし結果をみると、すべてのがんの発症率や前立腺がんを減らす効果は示されませんでした。
食事からの摂取と、サプリで単独成分を摂ることは、同じではないことが示唆されているのです。

