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もはや「情報を盗む」「金を奪う」ことが目的のサイバー攻撃ではない…次々と企業を襲う"サイバー知能戦"の戦慄

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従来のサイバー攻撃とは一線を画す「サイバー知能戦」の驚くべき実態とは(写真:Graphs/PIXTA)

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私たちはすでに「戦時下」にいる、そう言ったら、あなたは驚くだろうか――。こう問いかける防衛専門家の奥野史一氏は、現在、すでに水面下で、これまで私たちが想像してきた「サイバー攻撃」とはまったく次元の異なる「サイバー知能戦」が繰り広げられていると指摘します。
本稿では、単なるデータの多寡ではなく、その「凝縮」と「蒸留」が勝負を分けるというサイバー知能戦の脅威について、奥野氏の著書『2025-2035 サイバー空間の地政学 「見えない戦場」の現在地と未来予測』から、一部を抜粋・編集してお届けします。

1日あたり1.5件のペースで被害が明かされている

2025年、私たちはすでに「戦時下」にいる、そう言ったら、あなたは驚くだろうか。

もちろん、国際法上の"戦争"が始まったわけではない。窓の外には平和な日常が広がっている。それでも、あなたのスマートフォン、PC、そして街を動かす電力や通信の裏側では、止まらない攻防が続いている。

それが、本稿で定義する「サイバー知能戦(Cyber Intelligence Warfare)」だ。なお、本稿で「現在」と書く場合、特段の断りがない限り執筆時点の2026年を指す。

その攻防がどれほどのものか、いま一度数字で示しておこう。2025年の1年間に国内で公表されたセキュリティインシデントは559件。1日あたり1.5件のペースで、どこかの組織が被害を明かしていた計算になる。

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