INDEX
「心理的安全性」というキーワードが組織論用語として広く知られるようになって久しい。チーム内でメンバーが対人リスクを恐れずに安心して発言できる状態を指す。
より噛み砕いて表現すれば、メンバー各々が、自然体でいていいと感じられる状態といえるだろう。
さまざまな属性のメンバーが集う企業組織において、心理的安全性は一朝一夕に確立されるものではない。コロナ禍をきっかけに在宅勤務が広がり働き方も多様化する中、社員同士の対話を希薄化させないために、多くの企業で試行錯誤が続いている。
「チオビタ・ドリンク」などで知られる大鵬薬品工業(東京都千代田区)では、読書をきっかけに社員同士の対話を深めることを目指す取り組みを始めた。どのような内容なのか。
「10分読書」共通テーマで語り合う
平日の午後3時半すぎ。本社ビルのオープンスペースに約30人の社員が集い、4人1組になって静かにPCやスマートフォンに向き合っていた。
画面に映るのは、外山滋比古著『新版 思考の整理学』(ちくま文庫)の内容を要約したもの。全員で10分間黙読した後、モデレーターの進行に合わせて、チームごとに感想などを話し合う。
「例えば人事評価ではAIが定量的に判定できるところと、あえて非効率でも人が判断した方がいいところもあるのではないか」(参加した男性社員)
社員たちは笑顔も見せながら、和気あいあいと議論を続けていた。

