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「弊社は部門間の交流が皆無だ、社員の対話を増やそう」だけでは失敗する…大鵬薬品工業が「10分読書会」を導入した背景

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社内の対話促進のため、要約読書会を導入した大鵬薬品工業。その狙いと効果は――
  • 濱川 太一 フリーランス記者・編集者
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これは書籍要約サービスのflier(フライヤー、東京都千代田区)が提供する「要約読書会」という取り組みだ。大鵬薬品工業では3カ月ごとに実施し、この日が3回目。導入の背景には、社内の「対話」をより深めたいという思いがあったという。

当日の様子。もともと個人・法人向けに要約サービスを提供してきたflierだが、要約読書会を始めると多くの企業から問い合わせが。「反響の大きさに驚いた」と担当者は話す(筆者撮影)

同社ではこれまでも、過去のプロジェクトや製品開発の歩みをまとめた「エピソードブック」を活用し、社員同士が対話する取り組みを進めてきた。先人たちが困難をどう乗り越えたかを題材に「大鵬らしさ」とは何かを考えることが目的だった。

一方で、製薬会社ならではの専門的な内容が多く、社員によっては言葉の理解につまずくケースもあった。また、過去の事例を扱うため、受け取り方によっては「成功体験の押し付け」と感じる社員がいる可能性もあったという。

そこで着目したのが、全員が同じスタートラインに立てる「要約読書会」だった。一般書を題材にすることで知識レベルの差に左右されず、参加者全員がフラットな状態で対話を始められる点を評価し、社長室が主導し導入を決めた。

「営業には営業の、開発には開発の苦労が知れてよかった」

今回の読書会に『思考の整理学』を選んだのにも理由がある。

1983年に刊行された同書では、コンピューターが記憶や計算を代替し、人間は創造性で価値を発揮する時代が来ると示されていた。社長室では、40年前に示された視点を手がかりに、「AI時代に人間が担うべき役割とは何か」を社員同士で考えるきっかけにしたいと考えたという。

この日の読書会では「AIに任せる領域と、人間が担うべき領域とは何か」をテーマに議論を実施。生成AIの活用が広がる中、技術を使いこなすだけでなく、自ら考え、対話することの重要性について意見を交わした。

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