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「何があったかは隠しません」強盗殺人が起きた家を買い取った特殊清掃会社の決断、親子が集まる"意外すぎる現在地"

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生と死の現場で働く特殊清掃員が見たものとは? *写真は記事の現場ではありません(写真:関西クリーンサービス)
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10年ほど前のことだったという。

共用部の階段で、男性が首を吊った。債務者で、借金苦だったらしい。亀澤はルミノール反応液で確認してみた。階段のあたりで、強い血液反応が出た。ここで人が死んでいる。それは確からしかった。

工事中、亀澤は何度も自問自答した。

悲惨な事件のあったこの物件を、なぜ自分は買ったのか。

この仕事を続けてきて、多くの「死」を見てきた。人が亡くなった場所は、敬遠される。建物は、放置されれば、朽ちていく。この建物を解体するには、約1000万円近い費用がかかる。だが、たとえ建物を壊し、更地にしたとしても、この場所で起きた事件の事実まで消えるわけではない。

事故物件→「社会的価値を生み出す場所」へ

死亡事故や事件が起こった物件は“心理的瑕疵(かし)”物件と呼ばれる。心理的瑕疵とは、文字通り「人がどう感じるか」という問題だ。

そこに恐怖や嫌悪を抱けば、価値は下がる。だが逆に、人々が温かいイメージを抱く場所へ変われば、その印象もまた変わっていく。

ならば人々のイメージそのものを変えてしまえばいい。亀澤はそう考えた。

事故物件となり、世間から敬遠され、経済的価値を失った場所を再生させる。

不動産としての価値を失った場所を、今度は「社会的価値」を生み出す場所へ変えていく。

誰も近づきたがらなかった場所に、子どもたちの笑顔が集まり、地域の人たちが自然と足を運ぶ。

暗い記憶の残る場所を、地域の温もりが生まれる場所へ——。

亀澤は“負の象徴”とされる事故物件に、新たな役割と意味を与えようとしていた。

誰も関わりたがらない場所だからこそ、人が集まる場所にしたい。

暗い記憶が染みついた場所だからこそ、明るい笑顔で満たしたい。

子ども食堂をやろう、と決めた。

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