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令和なのに「シュークリーム50円、エクレア60円」85歳と68歳が営む福岡のパン屋さん 「徹夜で18時間働く」原動力の正体

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やおきパンの様子
地域で“おばあちゃん”と親しまれる飯田ユリ子さん(85)(写真:筆者撮影)

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シュークリーム50円、エクレア60円、ハンバーガー110円……。物価高騰が続く今もなお、思わず値札を見返してしまうほど良心的な価格で、手作りのパンと洋菓子を朝5時から販売する店がある。

福岡市東区箱崎の住宅街にひっそり佇む「やおき」。創業から56年、今は地域で“おばあちゃん”と親しまれる飯田ユリ子さん85歳と、義理の息子・篠崎一徳さん68歳のふたりで営んでいる。

ふたりはお互いを「おばあちゃん」「一徳さん」と呼び合う(写真:筆者撮影)

時代の流れとともに個人商店が次々と姿を消していく中、なぜ同店は驚くほどの低価格を守り続けられるのか。国内はもちろん海外からもお客さんが訪れる、小さな名店の舞台裏に迫った。

このシュークリームが50円!?ユリ子さん(85)と一徳さん(68)が営むパン屋「やおき」の中身がぎっちり詰まったシュークリーム(写真23枚)

睡眠時間は3〜4時間、徹夜で18時間働く

細い路地を入っていくと、「やおきパン」という看板が見えてくる(写真:筆者撮影)

福岡市の中心部である博多や天神から、電車やバスで20分ほど。かつて九州大学のキャンパスがあり、学生街としてにぎわった箱崎の狭い路地裏に、やおきはある。

創業は1970年。ユリ子さんと夫が、現在の店から歩いて5分ほどの場所で開業した。店名の「やおき」は、ことわざの「七転び八起き」から。「どんな困難にぶつかっても、何度でも立ち上がって前を向くという思いを込めたんですよ」とユリ子さんは振り返る。

1995年、道路拡張に伴って現在の場所へ。九大生向けに下宿を営んでいた建物の1階を改装し、パン屋にした。

やおきパンは自宅の1階にある(写真:筆者撮影) 

実は移転の際、店は存続の危機に立たされた、と一徳さんは打ち明ける。

「先代が『移転は大変やけん、ほかに誰もやらんなら店を閉めるか』と漏らしたんです。息子はやらないということで、娘婿である私に声がかかりました。当時、私は運送業が忙しく家を空けがちでしたが、重い障害のある長男に付き添いたいという思いもあって。思い切って仕事をやめ、先代のもとでパンと洋菓子作りを始めました」

一徳さんは650個ほどのシュークリームとエクレアにひとりでクリームを入れていく(写真:筆者撮影)
ふたりはあうんの呼吸でパンと洋菓子作りを進めていた(写真:筆者撮影)
できたてのシュークリーム50円とエクレア60円(写真:筆者撮影)

当時、シュークリーム30円、エクレア40円(やおきではエクレアをエクレヤと呼ぶ)、パンは12種類。職人気質だった先代のやり方を見て学んだ一徳さんは、先代が交通事故で突然他界した後、ユリ子さんとふたりで店を切り盛りしてきた。お客さんの要望に応えるうち、パンは25種類を超えた。

コロネパン100円、アップルパン100円、ハンバーガー110円、カレーパン120円など多様なラインナップだ(写真:筆者撮影)
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