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"デジタル教科書の導入"本当の問題点を見落としている、紙かデジタルかより重要な「教科との相性」と「教師の専門性」

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タブレットを使って学ぶ小学生
今後デジタルな形態を含むものも「教科書」として位置付けられるようになる(Fast&Slow / PIXTA)
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デジタル教科書によって、子ども一人ひとりの学びに合わせやすくなる。読み上げ機能や拡大機能、動画や音声を活用すれば、これまで紙だけでは届きにくかった子どもにも学びを届けられる可能性がある。

一方で、視力や姿勢など健康面への影響、長時間の画面利用への不安、思考力や学力への影響を心配する声もある。学校現場にも、「これまで紙の教科書を前提に授業を組み立ててきたのに、これからどう変わるのか」と不安に感じる教師は少なくないだろう。

ただ、現場で子どもたちと日々向き合っている立場から見ると、私はこの問題を「紙かデジタルか」という2択で捉えるべきではないと思っている。大切なのは、紙を守ることでも、デジタルへ進むことでもない。何のために使うのか、である。

デジタルも紙も「道具」である

デジタル教科書も、紙の教科書も、あくまで道具である。道具である以上、それ自体が目的になってはいけない。

教育の目的は、教科書を使うことではない。子どもが学ぶことであり、自ら考え、理解し、他者と関わりながら、よりよく生きていく力を育てることである。その目的に照らしたとき、デジタルが有効な場面は確実にある。

文字を読むことに困難のある子にとって、読み上げ機能は大きな助けになる。小さな文字が読みづらい子にとって、拡大機能は学びへの入り口を広げる。外国につながる子どもにとって、多言語対応や音声機能が支えになる場面もあるだろう。

理科や社会では、写真や動画によって、紙面だけでは伝わりにくい現象や地域の様子を具体的に見ることができる。算数でも、図形を動かしたり、変化の様子を視覚的に捉えたりすることで、理解が進む場面がある。

こうした点を考えれば、デジタル教科書を一概に否定する理由はない。むしろ、子どもによっては、デジタルだからこそ学びに近づけることがある。

私自身もデジタルをよく使う。AIも使う。音声入力も使う。クラウドで原稿を管理し、移動中に文章を書くこともある。デジタルを使うことで作業が効率化され、時間が生まれる。その時間を、人と話すこと、子どもと関わること、考えること、休むことに回すことができる。

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