ブリリアント・ジャークは、自分(成果を出す強者)を基準に世界を見ているため、無意識のうちに他者を弱者・異質としてラベリングし、こうした言葉を投げかける。これはボディブローのように効いてくる。
被害者は「いちいち目くじらを立てるのも大人気ない」と我慢するが、心の中には「ここは私の居場所ではない」という感覚が澱のように溜まっていく。
賢者から静かに泥舟を降りる
こうした環境下で、真っ先に組織を去るのは誰か。
それは、仕事ができて、かつ協調性もあり、まともな倫理観を持った人たちだ。彼らは市場価値が高いため、転職という選択肢を持っている。こんな理不尽な環境で心をすり減らす必要はないと判断し、静かに去っていく。
では、残されるのは誰か。
1つは、他に行くあてのない、しがみつくしかない人々(コンフォーマー)。もう1つは、ブリリアント・ジャークと同じような価値観を持ち、この殺伐とした環境でも生き延びられる(あるいは心地よいと感じる)人々(コリューダー)。そして、ブリリアント・ジャーク本人だ。
まともな人がいなくなり、追従者とミニ・ジャークが残った組織。そこでは、自浄作用は失われる。議論はなくなり、イノベーションは起きず、過去の資産を食い潰しながら、ゆっくりと死に向かっていく。
これが、ブリリアント・ジャークがもたらす結末だ。


