どちらも人気の列車である。だったら、引退時期を別々にするほうが、より長い期間にわたってファンが楽しめるはずだ。なぜ、両者の引退時期をまとめたのかという疑問が湧いた。
その点について倉坂昇治社長に質問すると、「(両者の引退時期を)まとめたということはない」という答えが返ってきた。「それぞれの事情で、たまたまこういう時期になりました」という。では、それぞれの事情とは何か。
1月引退「それぞれの事情」
ドクターイエローT5編成の事情については、すでに発表済みの内容から推測できる。
今年4月、JR東海は2027年1月から「ドクターS」が営業運転しながら東海道新幹線の設備検測を行うと発表した。ドクターSとは、営業車両の「N700S」にドクターイエローのすべての検測を代替できる機能を搭載し、営業運転しながら設備検測を可能とした車両である。
その開発スケジュールを見据えながら、JR東海が保有するドクターイエローT4編成は2025年1月に引退した。その後はJR西日本が保有するT5編成だけで東海道・山陽新幹線の設備検測を行っていたが、いよいよ、2027年1月にドクターSが実戦デビューする。ドクターSは4編成からなり、JR西日本もドクターSを使って山陽新幹線の設備検測を行う計画である。したがって、ドクターイエローT5編成は不要となるわけだ。
続いて500系の事情。500系は現在4編成が運行しており、うち1編成は今年8月の退役が決まっている。残る3編成については、新車導入スケジュールとの兼ね合いがある。

