まず「都心」という言葉を私なりに定義したい。一般には都心3区、すなわち港区・千代田区・中央区を指す。また、山手線の内側であることや東京駅まで20分程度のアクセスであることも「都心」の定義と言えるかもしれない。
そう考えると、都心3区でも、港区港南あたりは山手線の外側だし、中央区勝どきや築地も外側だ。逆に、新宿区の一部のマンションは山手線の内側であり、東京駅へのアクセスもよく、立派に都心と呼べるのかもしれない。
一方、江東区の湾岸エリアは東京駅から20分圏内という意味では基準を満たしていたりもする。「都心」とは、行政区の名前で決まるものではなく、立地そのものの実力で測るべき言葉に変わっていくと考えられる。
買い手のターゲットを完全に「超富裕層」へと絞り込んだ
そんな中でも誰もが「都心」と定義するであろう、港区麻布十番。私は、ある大規模マンションのモデルルームに足を運んだ。そして悟った。“本当の都心”は、超富裕層しか手に入らない時代に突入したのだ、と。
まず、70㎡以上のファミリータイプの住戸を購入するためには、15%の手付金が必要となる。マンションが売れない時代(と言っても10年ほど前)は手付金の交渉が可能だったこともあるし、最近でも10%で統一されていたはずだが、このマンションは15%。
例えば、3億5000万円ほどの部屋を購入するためには5000万円ほどをキャッシュで用意することになる。これだけでも相当な額である。さらに、残りの代金を用意できるという証拠(エビデンス)を示さなければ、そもそも購入のテーブルにつくことすらできないという。

