東洋経済オンラインとは
ライフ

ガチ中華ブームの盲点、なぜ「日本人が絶賛する名店」に在日中国人は行かないのか?

8分で読める
湖南料理
「ガチ中華」のイメージに近いと筆者が考える湖南料理(写真:『中国の回鍋肉にキャベツは使わない 中華料理から見つめる日本と中国』より)

INDEX

四川料理や広東料理に続き、近年「湖南料理」など多様な進化を遂げるガチ中華ブーム。しかし、日本人の中国通が「本場の味」と絶賛するディープな名店に、なぜか在日中国人は行きません。本稿では『中国の回鍋肉にキャベツは使わない 中華料理から見つめる日本と中国』より一部抜粋、再構成のうえ、店選びを分かつ決定的な違いを明かします。

ガチ中華のイメージは四川より湖南なワケ

中国の八大料理といえば、山東料理(魯菜)、四川料理(川菜)、広東料理(粤菜)、湖南料理(湘菜)、福建料理(閩菜)、江蘇料理(蘇菜)、浙江料理(浙菜)、安徽料理(徽菜)だ。カッコ内は別名である。この中で日本に広く浸透していて、店の数が多いのは、四川料理と広東料理だろう。

四川料理が有名なのは東京・赤坂にある「四川飯店」の元料理長で、テレビの料理番組でも活躍した陳建一さんの父、陳建民さんが日本風にアレンジした四川料理を広めたことがきっかけだ。

私は残念ながら、陳建民さんのご存命中にテレビでその姿を見ることはできなかったが、陳さんがマイルドな味つけの麻婆豆腐や、キャベツを使った回鍋肉などを作ったおかげで、日本人にとって四川料理は中華料理の代表選手のような存在になった。

広東料理は150年以上前、横浜中華街を形成した中国料理人の多くが広東省から渡ってきた人々だったからで、今でも横浜中華街には広東料理店がとても多い。年配の人だったら、フジテレビの人気番組『料理の鉄人』で活躍した周富徳さんを覚えているだろう。

周さんはお父さんが広東省からやって来て、そのあとを継いだ2代目だ。意識したことがない人もいると思うが、老舗の「萬珍楼」や「菜香新館」など横浜中華街の有名店の多くが広東料理店だ。

山東料理については、代表的メニューが思い浮かばないという人が多いだろう。福建料理、江蘇料理、浙江料理、安徽料理に至っては尚更だ。福建料理は福建省の料理、くらいのことはわかっても、それ以外の料理は、日本ではほぼ知られていない。

だが、ここ数年、日本の中華料理界の劇的な変化として、ありとあらゆる中華料理が食べられるようになってきた。中でも、人気、知名度ともに急上昇しているのが湖南料理だ。湖南料理と聞いて、代表する料理名を挙げられる人がいたら、きっとその人はかなりの中華料理通に違いない。

2/5 PAGES
3/5 PAGES
4/5 PAGES
5/5 PAGES

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ライフ

人気記事 HOT

※過去1ヶ月以内に配信した記事の閲覧数