2017年10月、800系は西部のグレートウェスタン本線で運行を開始し、同線で運行されていたHSTを置き換えた。2019年には東海岸本線でも運行を開始し、HSTの活躍の場は徐々に減っていった。
そして最後まで残ったのが、北部スコットランドのスコットレイルだった。
スコットレイルでは、北部の大都市エディンバラやグラスゴーから北側の路線を中心に現在も優等列車として最後の活躍を続けている。しかし2026年3月、これらの車両も余剰となっていた222系ディーゼルカーによって、2027年から2028年にかけて置き換えられることが発表された。
イギリス鉄道史に名を刻むレジェンド
実際のところ、HSTは現代の水準から見るとかなり陳腐化していた。高速列車ながらトイレにはタンクが設置されておらず、下水は線路へ直接排出されるという、日本では相当前に見られなくなった仕組みだ。ドアも、手動で開閉する「スラムドア」を採用していた。これらは改修されてはいたが、すでにノスタルジーに分類されるものでしかない。後継車両への置き換えは必然といえよう。
今や都市間特急の列車種別名としてヨーロッパで広く使われている「インターシティ」の名前を世界的に広めた立役者であり、衰退していたイギリスの鉄道を蘇らせる救世主でもあったHST。間違いなくイギリス鉄道史に名を刻むレジェンドの歴史は、まもなく終焉を迎えようとしている。

