しかし、26年時点でも、ハイパースケーラー(超大規模なクラウドサービスを運営する企業、マイクロソフトやアルファベットなど)のAIインフラ投資は、日本円で100兆円以上の規模に達する見通しで、それは現在も増加中だ。
すでに始まっている「実装」の圧倒的収益パワーが「短期はマイナス」を吹き飛ばしている。しかも、「実装」は27年にフィジカルAIとして本格化し、収益はさらに伸びる。日本株では工場の自動化などの注目企業が多く、28年以降においてAIは特別なものではなく、社会インフラとして定着し、長期成長産業として続いて行くと考えられる。
AI関連株人気のピークは「27年半ば」か
では、「AI相場はどこまで続く」ではなく、「AI相場はどこまで“も”続く」となるのか。それは違う。前述の産業としての予測は、株式市場から見ると、株価テーマとしての力は、28年以降に弱まることを意味する。
つまり、26年選別相場、27年実装相場として盛り上がるが、28年以降のAIの社会インフラ化でテーマとしての熱は徐々に低下する。この流れから言うと「AI関連株人気のピークは「27年末」となるが、熱しやすく冷めやすい投資家心理を考えると「27年半ば」が筆者の予想だ。
それでもまだ1年あるが、上がれば上がるほどリスク(不安)も増す相場の習性から言って、これから1年間の相場は、今よりもはるかに高ボラティリティ(変動率)な相場になると思っている。ただ、余裕資金で「下げたら買い」を実行できる投資家にとっては、最も面白い(儲かる)1年間になるのではないか。
もちろん、AIだけが相場要因ではない。アメリカの景気後退懸念のリスクも次第に高まっている。現在のアメリカでは、求人数がピークから減少し、失業率はじわり上昇し、大企業のホワイトカラーの削減が続いている。景気は「雇用が崩れたら終わり」だ。
今は崩れ始めたと言えなくもないが、景気後退は、雇用の悪化 → 消費の減速 → 企業業績の悪化 と言う順番で進むので、途中で方向を修正する可能性は十分にある。今のアメリカの現状は、まだ消費は粘っており、企業業績も落ち込んではいない。つまり、政策が「まだ間に合う段階」だ。

