INDEX
「野比のび太の名を、歴史の一ページにのこしたい!」
――その日、のび太は腕を組んで真剣に考えていました。
「ぼくは、やがてはおとなになるだろう。この先、どういう人生を歩むか、それはわからないが、とにかくこの世に生まれたからには、何かひとつ足あとをのこしたい! 野比のび太の名を、歴史の一ページにのこしたい!」
のび太らしくもなく、ずいぶんしっかりしたことを言い出しました。しかし、そんな状態は長く続かず、しばらくすると腕枕をし、鼻チョウチンをふくらませながら、いつものスタイルで寝てしまいました。やがて、未来の大百科事典を持って「タイムマシン」から帰ってきたドラえもんに、のび太は怒鳴りつけられます。
「ひるねなんかしている場合かっ」
のび太がその事典を見ていくと、ツチノコについて、こう明記されていました。
「は虫類、有りん目へビ科、ヘビ亜科、日本産全長六十センチ。昔は単なる想像上の動物とされたが、1976年……、東京の剛田武さんによって発見」
それを読んだのび太は「スック」と立ちあがり、宣言します。
「ぼくが先に見つける‼ 百科事典に名前をのこすぞ」
そして、町の広場には「ツチノコツチノコ……」とつぶやきながら、草むらの中を懸命に探すのび太がいるのでした。
(『てんとう虫コミックス ドラえもん 第9巻』小学館 第2話目「ツチノコ見つけた!」より)

