画像生成・編集のAIは、もはや各社の標準装備だ。グーグルはPixelで「Circle to Search(画面を囲んで検索)」や生成AIによる写真補正を早くから提供し、シャオミもHyperOS 3で写真の構図を補う機能やギャラリー内の生成編集を載せている。
サムスンもGalaxy AIで写り込み除去や生成編集を展開済みだ。つまり「不要物を消す」「画像を理解する」こと自体は珍しくない。差が出るのは精度と、それを呼び出すまでの手数だ。アップルは「撮ったその場で、別アプリに渡さず聞ける」体験の自然さで勝負しており、汎用AIに画像を送る一手間と比べたときの軽さが、実用上の価値になる。
速度向上と、使える機種・時期
AIにそこまで関心がない人にも朗報がある。今回のアップデートでは、iPhoneそのものの動作も軽快になる。アプリの起動やAirDropの転送が高速化され、「アップデートするだけでキビキビ動く」体感が得られるはずだ。日本語入力の変換精度もこの秋ぐっと向上しており、AIを身構えて使わなくても恩恵を感じられる。
利用にあたっての条件も押さえておきたい。これらの高度なAI機能(Apple Intelligence)はiPhone 15 Proシリーズおよび16シリーズ以降などで使え、新しいSiriは年内に英語から提供が始まり、日本語をはじめ他言語へ順次拡大していく。各OSはこの秋に一般提供され、日本語対応はもう少し先になる見込みだ。なお、基調講演で上位機種が必要に見えた機能もあったが、それは「表現力豊かな音声」など一部に限られ、大半の機能は対応機種なら等しく使える。本社取材で確認できた、最も解いておきたい誤解だ。
ここで競合と比べておきたいのが「いつ・どの端末で使えるか」だ。グーグルのGemini IntelligenceはまずGalaxy S26シリーズやPixel 10シリーズから夏に提供が始まり、他のAndroid端末へは2026年後半に広がる見込みだ。アンドロイド陣営は端末メーカーをまたいでGeminiを共通基盤に据える一方、アップルは自社のApple Intelligenceで対応機種を絞り込む。
読者にとっての示唆はこうだ。Android勢は「対応端末の幅広さと共通AI基盤」が強みになりやすく、アップルは「機種は絞るが、個人データを端末内で扱う設計の一貫性」が強みになる。どちらを選ぶかは、自分が使っている端末と、データの扱いをどこまで気にするかで答えが変わる。

