日差しが強まるこれからの季節、外出時に欠かせなくなる日傘。市中ではたくさんの商品が売られているが、1本3万円を超える価格にもかかわらず、春先に販売を始めると用意した今季分が数日で完売した藍染の日傘がある。しかも柄は、クジラやプルメリアなど、ハワイアンな柄。
このユニークな日傘を生み出したのは、趣味として始めた手描き友禅が高じ、作家として活動するようになったequbo(雅号)さん。伝統工芸である友禅や藍染の技法に、ハワイアンという新しいモチーフを掛け合わせ、これまでにないマーケットを切り開き、シーズン前から完売を生むほどの支持につながっている。しかし、この状態になるまでには長い道のりがあった。
「自分の手で何かをつくりたい」
equboさんは美術大学でテキスタイルやパターンデザインを学び卒業。新卒で入社したのは壁紙やカーテンを手がけるメーカーだった。企画室でインテリアコーディネーターとして働いていたのだが、完成した商品をハウスメーカーに来るお客さんなどに提案する仕事だったため、心の奥には常に「自分の手で何かをつくりたい」という渇望が残っていた。
そんな時、大学時代の友人に「友禅教室に行ってみない?」と誘われた。足を踏み入れたのは、東京・青山にある寺院「梅窓院」で開かれていた手描き友禅教室だった。

