駅まわりに戻って界隈を散策すると、入り組んだ路地の奥には小さな本屋とかお茶屋、銭湯などが残っていて嬉しくなる。しかし、駅そのものは地下化の工事が行われており、背の高いパネルで覆われていて、味気ない。
街を南北に走る「平和公園通り」と西武線の線路が交わる地点にある踏切は、地域の人たちに“開かずの踏切”と呼ばれている。平和公園通りの道幅は7メートル前後で、南に向かっての一方通行だ。ここを工事車両がひっきりなしに通る。
工事現場に出入りするトラックをさばくガードマンにそれとなく話しかけると、「昼間はそれほどでもないけど、朝のラッシュアワーは、ほんとに開かずの踏切だよ」と苦笑いしていた。
地下化に反対する人も
そのすぐそばにある不動産業者「アタカハウジング(中野区沼袋3-4-18)」で話を聞くことができた。代表の井上統介さんは、この街で30年以上のキャリアを持つ。まずは西武線の地下化について聞いてみた。
「まぁ、外から見れば踏切がなくなって便利になるという良い面が目立つかもしれないけれど、地元では反対する人もわりといるんですよ。昔ながらの景観が変わってしまうことを寂しがる人も多い。すぐ近くにスーパーマーケットの西友があったんですけど、工事の関係でなくなってしまった。買い物が不便になったって嘆いている人もいます」(井上さん)
鉄道の地下化はどうやらいいことばかりではないらしい。
「そもそも、当初はもっと早く完成するような話だったんですけど、資材の高騰や人手不足などが重なって、工期はのびのびになっているんですよ」(井上さん)

