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地場基準強化、手数料引き下げ要請…ふるさと納税「原点回帰」の波紋。経費率4割時代へ自治体を悩ませる"宿題"も

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ふるさと納税は「原点回帰」を迫られている(画像:タカス / PIXTA)
  • 若生幸也 日本政策総研 専務取締役

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ふるさと納税をめぐって、総務省が「原点回帰」への取り組みを強化している。2025年10月にはふるさと納税のポータルサイトでのポイント付与が原則禁止となり、今年5月には自治体がポータルサイトに支払う手数料の引き下げが要請された。10月からは返礼品調達などの費用上限や地場産品基準が厳格化される。総務省が矢継ぎ早にふるさと納税の制度厳格化を打ち出すのはなぜか、背景を探った。

新たに導入されるふるさと納税の厳格化措置は大きく分けて2つある。1つは告示改正(令和7年6月24日付、総務省告示第220号)によるもの。もう1つは地方税法改正(令和8年法律第2号、26年4月施行)によるものだ。いずれにも、返礼品競争を抑制し制度を本来の「地域支援」という趣旨に回帰させるという総務省の狙いがある。

まずは告示改正による措置を概観する。

告示による基準の見直しは、大きく分けて(1)地場産品基準の厳格化、(2)広報目的品の数量制限、(3)募集費用の透明化の3本柱で構成される。いずれも適用開始は今年10月だ。

(1) 地場産品基準の厳格化(告示第5条第3号改正)

工業製品・加工品は、「当該地方団体の区域内において製造等を行うことにより当該返礼品等の価値の過半が生じている」ことを製造者が証明することが義務づけられる。さらに自治体は、この証明内容をウェブサイトで公表しなければならない。

証明には一般販売価格を併せて記載することも求められ、調達費用の妥当性の確保が図られる。ふるさと納税では「地元の付加価値率が価格ベースで5割超」と決められているが、今回の見直しによってこのルールがより明確になる。

例えば、海外産ワインを単に倉庫に貯蔵しただけで「熟成した」と主張し「5割の付加価値」基準をクリアすることは難しくなる。グレーゾーンにある返礼品は淘汰され、5割基準を明確にクリアしている品目に絞り込まれることになる。

寄附する側にとっては好みの返礼品が姿を消すことになるかもしれないし、自治体や事業者にとっては集まる寄附額が減るかもしれない。だが、返礼品の付加価値が正しく地域に根差しているサービスや品物に絞り込まれるため、公金を活用した地域経済の循環という観点からは、今回の見直しは妥当なものといえる。

(2) 広報目的品の数量制限(告示第5条第5号改正)

自治体のロゴやキャラクターを付した広報目的のオリジナルグッズを返礼品とする場合、指定対象期間の前年10月1日から当年9月30日までの間に「自治体が広報の目的で自ら調達し、配布または販売した実績」があることが必要になる。そして、この「実績」を超えた数量を返礼品として提供することが禁じられることになる。要は、ロゴを付けただけで何でもかんでも「地場産品」として流通させる手法への歯止めである。

(3) 募集費用の透明化(告示第2条第2号の2新設)

また、自治体は前年度に1支払先当たり100万円以上支払ったすべての委託先・調達先について、支払先の名称・住所・支払額・支払い目的を記載した一覧表をウェブサイトで公表しなければならなくなる。ポータルサイト手数料や中間事業者への委託費が具体的に「見える化」されることで、費用構造のあり方が広く住民・メディアなどからチェックされることになる。このルールは26年10月以降の指定対象期間から適用される立て付けだが、最初の公表期限は26年9月30日となっている。

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