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サムスンはなぜ日本企業を超えられ、いま何に脅かされているのか 韓国経営学者が語る半導体王者の変曲点

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2026年3月、アメリカで開催されたNVIDIA GTCカンファレンスにおけるサムスンのブース(写真:2026 Bloomberg Finance LP)
  • 李 政炫 韓国『月刊朝鮮』記者

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サムスン電子の株価が34万ウォン(約3万5000円)を超え、韓国株式市場の新たな歴史を刻んだ今年6月初旬、筆者は漢陽(ハニャン)大学の崔成鎮(チェ・ソンジン)経営学教授と向き合った。韓日中3国の企業競争力を比較分析してきた崔教授は、この局面を「頂点か、変曲(グラフの曲がり方が逆転するポイント)点か」という問いで切り取る。追撃者から先導者へと上り詰めたサムスンが、むしろ最も危険な瞬間に立っているかもしれないという警告だ。
崔教授はサムスンが現在、3つの危機に直面していると見る。第1は、「好況の虚実」である。AIブームによるHBM(広帯域メモリ)の需要爆発でサムスンはスーパーサイクルの中心に躍り出た。しかしこの好況は、サムスン自身の実力だけでなく、アメリカの対中半導体規制という外的条件が生み出した「漁夫の利」という性格が大きい。中国はその制約の中でも汎用DRAMの自給に向けて国力を集中させている。今後5年以内に、レガシーメモリ市場の価格プレミアムは構造的な下落圧力に直面するだろう。
第2は「内部の亀裂」だ。李在鎔(イ・ジェヨン)体制に入り、権限が各社長に分散され、グループ全体を一方向に導く求心力が弱まった。最近の半導体部門における超過利益分配をめぐる対立は、その最初の兆候である。グループ全体の資源集中によって達成した成果を特定事業部が独占しようとするロジックは、サムスン固有の共生文化を根底から揺るがすものだ。
第3は「地政学リスク」だ。日米韓技術同盟は、3カ国の利害が根本的に異なるため、掛け声だけに終わる可能性が高い。韓国と日本は事実上、アメリカの選択をめぐって競い合う関係にあり、ラピダスがアメリカの戦略的支援を背景にすれば、瞬く間に実質的な脅威として浮上しうる。
以下は崔教授へのインタビューの詳細である。

「最大の脅威はサムスンの内側にある」

――サムスン電子を現在どのような企業として定義できるか。かつてのサムスンと最も変わった点は何か。

サムスンは追撃者から先導者、すなわち追う者から追われる者へと転換した企業です。かつての武器はスピードと資本、実行力でした。今やメモリ分野では確固たる主導権を握っている以上、自ら技術標準を定義し、それを守り抜かなければならない。これは追撃とはまったく異なる能力を求めます。

サムスンの脅威を外部に求める見方が多い。中国の追い上げ、日本の復活といったものです。しかしサムスンの最大の脅威は内側にある。最も強くなったまさにこの瞬間に、遠くを見通す視野と組織を1つにまとめる求心力を、自ら失いつつあるからです。

李健煕(イ・ゴンヒ)会長の時代と最も変わった点がそれです。

かつては1993年に当時の李会長が打ち出した経営方針である『フランクフルト宣言』のように、総帥が方向性を示せばグループ全体が一糸乱れず動いた。今日、そうした1人による指揮体制が可能でも、望ましくもないことは認めます。

問題は、李在鎔時代のサムスンが総帥の司法リスクと連動する形で権限が各事業部に分散されたことにあります。現場の自律性は高まりましたが、グループ全体の戦略を一方向に調整し、未来を遠く見通す力は弱まった。その結果が、各系列会社が各自の短利益を追う傾向であり、労働者側と深く対立した今回の半導体部門の超過利益分配問題はその最初の危険な兆候です。

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