東洋経済オンラインとは
ライフ #ジモトのアタリマエ──観光客の知らない知恵と常識

「チキン南蛮はまだ進化中」「真っ黒焼けがおいしそう」宮崎といえば牛…の陰で、県民が愛してやまない"鶏文化"の世界

10分で読める
鶏の炭火焼き。煙と炎をもうもうと上げながら焼かれる(写真:宮崎県観光協会提供)
2/6 PAGES

また、地元民は意外とチキン南蛮のアレンジにも寛容だ。宮崎市内に3店舗を展開するレストラン「クレイトンハウス」では、チキン南蛮の重要な要素を担うタルタルソースをさまざまにアレンジしたメニューが並ぶ。「梅」や「豆板醤」「バジルカレー」「明太子」「粒マスタード」「ゆず胡椒」など、多様なラインナップが揃い、チキン南蛮の新たな世界を開いている。他にも、近年ではチキン南蛮とカレーを合体させた「チキン南蛮カレー」というメニューも一般的になりつつあり、地元民のチキン南蛮に対する探求力はとどまるところを知らない。

「中町フードホール」(都城市)のチキン南蛮カレー。意外にも、カレーとチキン南蛮は相性が良い(写真:筆者撮影)

鶏の炭火焼きは、地元民の食卓にも進出

一方、鶏の炭火焼きは、居酒屋の定番メニューといえる。その多くにもも肉が使われることから、地元民は「もも焼き」と呼ぶことが多いが、むね肉やせせりなどが使われる場合もある。チキン南蛮は家庭料理としての側面もあるが、鶏の炭火焼きは豪快な炎で一気に焼き上げるため自宅で作ることは難しく、基本的に外で食べる料理という認識だ。

炭火に鶏の脂を入れて炎を上げ、いぶすようにして鶏肉を焼き上げるため、肉の表面は真っ黒に仕上がる。よくよく考えると食欲をそそる色合いではないはずだが、地元民にとってはこの黒さこそおいしさの印。香ばしい匂いもあいまって、箸が止まらなくなってしまう。シンプルな調理法がゆえに、こだわりの地鶏を使っていたり、骨つきで焼き上げたりと各店ごとにこだわりがある。鶏肉の生食文化があるゆえ、レアな焼き加減で提供する店も多い。

鶏の炭火焼き。煙と炎をもうもうと上げながら焼かれる(写真:宮崎県観光協会提供)

発祥の地といわれる宮崎市には鶏の炭火焼きの専門店が多く、中でも老舗有名店の「丸万焼鳥 本店」は観光客はもちろん、地元民でもいつも賑わっている。シンプルな骨つきのもも焼きは噛めば噛むほどうまみがあふれてくる。ぜひ宮崎にお越しの際は、足を運んでみてほしい。

3/6 PAGES
4/6 PAGES
5/6 PAGES
6/6 PAGES

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ライフ

人気記事 HOT

※過去1週間以内の記事が対象