さて、話を戻せば、ヤマダが並行して進めたのが「くらしまるごとを支える ヤマダ経済圏」という戦略である。家電をコアにした、くらしにまつわるあらゆる商品、サービスを開発、展開する、と表現しているが、具体的には家電、家具・インテリア、玩具といった商品や住宅建築、リフォームまでもグループ内で取り込める体制ということであろう。
解釈するならば、家電、家具、インテリアなどの家の中の装備品需要は、家の新築、リフォームの際にまとまって発生する。であれば、住宅建築、リフォーム案件を捕捉しつつ、家回り需要を総取りすることが、グループの収益機会を最大化する、という考え方であろう。
このため、ヤマダは家具インテリア大手の大塚家具や、新築住宅のエス・バイ・エル(S×L 現ヤマダホームズ)を買収、総合ハウスメーカー、ヒノキヤグループを子会社化して、グループの体制を整えた。ヤマダのM&Aはこうした方向性に合わせて展開されたのであり、このロジック自体は理にかなっている。
地方の家電市場縮小は加速する
2026年3月期のヤマダの家電・情報家電以外の部門別売上高は、すでに5000億円弱まで拡大している。中でも、住宅関連3689億円、家具インテリア437億円、などとなっていて、1.7兆円の売り上げの大きな支えとなっている。
部門相互間でのシナジーについても中期経営計画に記載がある。家電・住宅のクロスセル実績として、リフォーム662億円、家具インテリア395億円とあり、相応の効果につながっていると会社は述べているが、今はまだ限定的だ、ということでもあろう。
部門相互の情報が有機的に活用できるようになれば、その効果もさらに期待はできる。ただ、自社住宅部門実績約3700億円というのは、住建業界におけるほんの一部の顧客接点(数%)でしかないことも事実である。ここを起点として、家回り需要を取り込むとしても、国内家電シェア2割弱持っている企業の中長期的成長を語ろうとするには無理がある、と思わざるをえない。
