キャリアを積み上げてきた人にとって、「今までの経験が活かせない場所に飛び込む」ことは、大きなリスクに思えるかもしれません。特に、新規事業という領域は不確実性が高く、求められるスキルも多岐にわたるため、「自分の強みが通用しないのではないか」と感じて尻込みしてしまうこともあるでしょう。しかし、裏を返せばその「不安定さ」こそが、急成長を促す土壌でもあります。
組織や上司から与えられた役割ではなく、自ら機会を見つけ、仮説を立て、動いて検証していくプロセスは、まさに実践の連続です。そこで得られる「当事者としての経験」は、単なる知識やノウハウの習得にとどまらず、意思決定の構造理解、利害調整の経験、変化に適応する力といった、本質的なビジネススキルへと昇華されていきます。
「キャリアの遠回り」ではなく「急成長への近道」
多くの人が歩むキャリアは、「専門性」を武器にした積み上げ型の道筋です。例えば、ある職種に就いて経験を積み、専門スキルを磨き、その道のプロとして評価される。これは間違っていませんし、多くの組織もそうした専門性を尊重して人材を配置します。
しかし、こうしたキャリアパスの弱点は、「専門領域外の経験」が乏しくなりがちな点です。つまり、「異質な文脈」に置かれたときの対応力や、組織横断的な視点、事業全体を見渡す目といったものが育ちにくいのです。
新規事業は、まさにそうした「積み上げの外側」に飛び出す挑戦であり、そこでの経験はキャリアの「厚み」と「横幅」を一気に広げてくれるのです。
新規事業は、「異分野に身を置く留学」のような体験です。既存の知識や成功パターンが通用しない環境に身を置くことで、自らの思考や行動を再構築せざるを得なくなり、学びの密度とスピードが劇的に上がります。


