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イントレプレナー(社内起業家)は新規事業に挑戦して失敗すると昇給や昇格、キャリアで不利になるのか?

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ビジネスパーソン
重要なのは失敗から何を学び、どう活かそうとしているか(写真:Getty Images)
  • 田久保 善彦 グロービス経営大学院特任副学長 教授

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新規事業に専念すると、これまで築いてきたキャリアが「ゼロになる」のでは、と不安に思う人もいるでしょう。ほとんどの場合、それは杞憂に終わります。むしろ、挑戦した経験がキャリアの価値を高め、昇格や昇給のチャンスを広げることがあります。新刊『イントレプレナー(社内起業家)の教科書 新規事業を成功に導く50のQ&A』での先人47人へのインタビューから、一見すると遠回りに見える新規事業への挑戦は、実は「急成長への近道」になり得ることがわかります。

キャリアを積み上げてきた人にとって、「今までの経験が活かせない場所に飛び込む」ことは、大きなリスクに思えるかもしれません。特に、新規事業という領域は不確実性が高く、求められるスキルも多岐にわたるため、「自分の強みが通用しないのではないか」と感じて尻込みしてしまうこともあるでしょう。しかし、裏を返せばその「不安定さ」こそが、急成長を促す土壌でもあります。

組織や上司から与えられた役割ではなく、自ら機会を見つけ、仮説を立て、動いて検証していくプロセスは、まさに実践の連続です。そこで得られる「当事者としての経験」は、単なる知識やノウハウの習得にとどまらず、意思決定の構造理解、利害調整の経験、変化に適応する力といった、本質的なビジネススキルへと昇華されていきます。

「キャリアの遠回り」ではなく「急成長への近道」

『イントレプレナー(社内起業家)の教科書 新規事業を成功に導く50のQ&A』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら)

多くの人が歩むキャリアは、「専門性」を武器にした積み上げ型の道筋です。例えば、ある職種に就いて経験を積み、専門スキルを磨き、その道のプロとして評価される。これは間違っていませんし、多くの組織もそうした専門性を尊重して人材を配置します。

しかし、こうしたキャリアパスの弱点は、「専門領域外の経験」が乏しくなりがちな点です。つまり、「異質な文脈」に置かれたときの対応力や、組織横断的な視点、事業全体を見渡す目といったものが育ちにくいのです。

新規事業は、まさにそうした「積み上げの外側」に飛び出す挑戦であり、そこでの経験はキャリアの「厚み」と「横幅」を一気に広げてくれるのです。

新規事業は、「異分野に身を置く留学」のような体験です。既存の知識や成功パターンが通用しない環境に身を置くことで、自らの思考や行動を再構築せざるを得なくなり、学びの密度とスピードが劇的に上がります。

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