東洋経済オンラインとは
ライフ

「夢やと思いました」…「野蛮」「不良」と大人は嫌ったビートルズ来日、警備に3万5000人が出動した武道館で起きたこと

12分で読める
ビートルズ
1966年6月29日、初来日したビートルズが東京に到着した際の様子(AFP PHOTO / Metropolitan Police Department via Freedom of Information Citizen Center)
2/8 PAGES
3/8 PAGES
4/8 PAGES
リンゴ・スターが演奏するバスドラムのミニチュアグッズ。ビートルズを知らない人でもこのロゴは見たことがある人も多いだろう(写真:筆者撮影)

あっという間の11曲30分、公演が終わった。岡本少年は真っ白になった。夜行列車で帰ったが、その道中のことは一切記憶にないという。

音楽で話しかけてくる

岡本さんが初めてビートルズと出会ったのはコンサートの約2年前の1964年10月、中学2年生の時。それ以前は、音楽についてはクラシック一辺倒で、「ビートルズ!?あんなの音楽じゃない」などとうそぶいていたという。

ある日、レコード店の店主から、クラシックの代わりにビートルズの『ア・ハード・デイズ・ナイト』を薦められた。しかし興味がわかない。1カ月後にようやくレコードに針を落としてみた。「ジャ〜ン!」。出だしのエレキギターの音に大きな衝撃を受けた。

「『これだ!』という言葉が、体中を駆け巡りました」

その響きは、自分でもよくわからない鬱屈しているなにかと、未来への不安やこわさを刺激してくるようだった。同時に不思議なほどに喜びがあふれてくる。岡本さんにとっては、新たな時代の幕開けを告げるファンファーレのように思えた。A面もB面も、寸暇を惜しんで聴き入った。

レコードプレーヤーを模した菓子缶を、ビートルズ仕様にカスタマイズしたもの。レコード部分にアップルレーベルの音盤を作って貼った(写真:筆者撮影)

他のレコードも片っ端から買い集めた。岡本少年はさらにのめり込む。

「どの曲も今まで聴いたことがないオリジナルの世界観。一度聴いたら忘れられないメロディー、歌声、コーラス。美しい!キラキラ輝いている!さらにリズムがかっこいい! クラシックになかった躍動感が、当時はたまらなかったんですよ」

岡本少年が心動かされたのは音楽的要素だけではない。後に岡本さんはこう分析している。

「彼らはね、音楽で話しかけてくるんですよ」

当時のロックンロールは勢いやノリが中心だったが、ビートルズはそこにシンプルな言葉を持ち込む。

5/8 PAGES
6/8 PAGES
7/8 PAGES
8/8 PAGES

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ライフ

人気記事 HOT

※過去1ヶ月以内に配信した記事の閲覧数