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6月25日開業【星のや奈良監獄】あえて"刑務所体験ホテル" ではなく"全室スイート"にした星野佳路の真意

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「星のや奈良監獄」外観
「星のや奈良監獄」外観(写真:星野リゾート)
  • 森川 天喜 旅行・鉄道作家、ジャーナリスト

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歴史的建築物を、どう未来へ受け継ぐのか。

人口減少や維持管理費の高騰により、文化財や歴史的建築物の保存は年々難しくなっている。一方、近年は文化財保護法の改正により、観光による収益を活用しながら価値を継承する試みも広がりつつある。

奈良市にある旧奈良監獄の再生は、その象徴的な事例だ。

延々と続く赤レンガの壁。中央の看守所から放射状に伸びる獄舎群。明治期に建設された日本を代表する近代監獄建築は、2026年6月25日、ラグジュアリーホテル「星のや奈良監獄」として新たな歩みを始める。

こうした歴史的建築物をはじめ、地域文化、温泉文化をどのように次世代へ残すか。「継承」をテーマに、星野リゾート代表の星野佳路氏に話を聞いた。

星野リゾート 星野佳路代表(写真:筆者撮影)

「レガシーホテル」開業までのプロセス

――重要文化財を宿泊施設として再生するのは、国との合意形成を含め、難しい面が多かったのではないか。

旧奈良監獄をホテルとして活用し、その収益で維持していくという構想自体が国の方針だった。また、ホテルだけでなく監獄の歴史を伝えるミュージアムを併設するというスキームも国が示したものだった。そのため、プロジェクト開始にあたり、国との間で大きな方向性について合意形成を図る必要はなかった。

もちろん、具体的にどのようなホテルにするか、どの部分をホテルとして活用するか、またホテル化に伴う内装の変更などについては、関係機関との合意が必要だった。

具体的な設計・施工段階では、重要文化財である建物に手を加えるため、どこまで現状を変更できるのかについて文化庁との調整を重ねた。例えば、ホテルとして運営するには客室にトイレを設置する必要がある。そのためには配管を通すため壁や床に穴を開けなければならない。そうした変更の必要性を丁寧に説明し、理解を得ながら進めていく。その積み重ねだった。

「星のや奈良監獄」エントランス・表門(写真:星野リゾート)
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