3.CUSTOMERS:「顧客」が信頼する「ブランド」
理念から生まれたプロダクトは顧客の間で語られ、別の顧客を生むことになる。そうした循環が、ブランドを内側から加速させるのだ。このことに関連して登場するのが、ご存知のとおりどん底から這い上がったアップルの話題である。私も、あの十数年に関する記憶はいまだに鮮明だ。つまり、それほどのインパクトがあったのだ。
それは、顧客とのあらゆる接点を通じて“一貫性と整合性のある体験”を提供し続けているからこそ。この点については、長きにわたるアップル・ユーザーとしても強く共感できる。
iPhoneやMacの完成度の高さ(納得感)はもちろん、Apple Storeでの対応のよさやGenius Barでのサポートなど、すべてにおいて「アップルらしさ」が貫かれているのだ。それは間違いなく信頼につながる。事実、私も“アップル以外”に乗り換えようと考えたことは過去に一度もなかった。
端的にいえば、顧客が自らの体験を通じて「これは信じられる」と感じた瞬間にブランドは成立するのだ。いわばブランドは、企業側が伝えるものではなく、顧客が信じるものだということ。それは結果であり、先につくり込むものではないのである。
だからこそ、「ブランディング」ではなく「ブランド構築」が意味を持つのであり、すなわちそれこそが「信頼による差別化」なのだ。
