4.BRAND:「ブランド」が差別化する「会社」
信頼が積み重なっていくと、ブランドは“企業そのものの力”のあり方を形づくる力を持ち始める。「誰に向け、なにを生み、どう届けるか」というすべてのプロセスにおいて、ブランドが判断軸として機能し、企業活動の基準そのものとなっていくわけだ。
上記のアップルがそうであるように、この段階に達したブランドは、競争の土俵を変えることになる。
「このブランドがつくるなら信頼できる」「このブランドの判断なら納得できる」という理由で選ばれるようになるのだ。それはもはや、価格や機能の比較だけでは測れない領域である。
著者は、「ブランドとは、“信じられる理由”の集合体である」と述べている。それが、会社の思想を起点として、プロダクト、顧客、社会とのあらゆる接点に一貫して反映されているとき、ブランドは会社を次のステージに引き上げるのだ。
ここでまた、冒頭の話題に戻る必要があるかもしれない。
つまり、もう従来的な広告のあり方にはあまり意味がないのだ。まったく意味がないとは言えないかもしれないが、少なくとも(広告業界人はもちろん、一般人も含めたすべての生活者が)「このままでいいのだろうか?」という問いを自身に投げかける必要はある。
そういう段階に来ているのだ。
そもそも私たちはこれまで、人と交わる際にも「信頼」を支えとしてきたはずだ。つまり、それは本来、普遍的な価値観でもあるのだ。そういう意味でも、地味に思えなくもないこの2文字が今後の成長に欠かせないものであるということを、ここで意識してみるべきではないだろうか。
