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これまでのブランド構築は、「何をどう伝えるか」「どうすれば売れるか」といったマーケティング的思考に基づき、機能を超えた「意味」や「価値」を売ることに重点が置かれてきた。その考えが不要になったわけではない。
しかし、これからは、「信頼」で選ばれる時代になる。
意味よりも、信頼。ブランドの本質が、静かに、しかし確実にシフトしている。(「プロローグ 日本の未来=企業のブランド力」より)
ファネル的な考え方でいえば、「購入」はゴールである。しかし「信頼」には“その先”がある。そういう意味でも、「信頼で選ばれる時代」にフィットしたブランド構築のあり方が求められているということだ。
そこで着目すべきが、著者が本書の核として強調している「ブランドのフライホイール」である。
フライホイールとはなにか?
「フライホイール(flywheel)」という言葉は、もともと機械工学の用語で、日本語では「はずみ車」と訳される。エネルギーを蓄え、慣性によって回転を持続し、一定のスピードやパフォーマンスを安定的に保つための装置だ。車のエンジンや自転車のペダル、発電機の内部など、目に見えない部分で重要な役割を果たしている。(182ページより)
つまりフライホイールを取り入れれば、ブランドは回り続け、加速していくということだ。これはファネルとは対極にあるきわめて現代的――そして未来へとつながっていく概念だと感じる。
この仕組みが、ビジネス的な比喩として使われ始めたのは2000年代初頭のことだ。アマゾンの創始者であるジェフ・ベゾス氏が、あるミーティングで同社の成長構造を説明するにあたり、ナプキンに描いたスケッチがきっかけだと言われている。
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