有料会員登録 東洋経済オンラインとは
政治・経済・投資

あなたのSNS投稿は巨大ITへの「無償労働」なのか すべてを搾取する「デジタル地主」とレンティア資本主義

9分で読める
「マイノリティ支配」の正体:分断される社会と文化戦争の罠
巨大IT企業の仕事の大部分は、何十億人もの人々によって、無償で行われている(写真:taa/PIXTA)

INDEX

現代社会において、私たちはどれだけのものを「本当に」所有しているのか。水道や鉄道などの公共インフラから、巨大IT企業が支配するデジタル空間に至るまで、私たちからすべてを搾取する「レンティア資本主義」の恐るべき実態とは。映画監督のケン・ローチ氏や経済思想家の斎藤幸平氏も絶賛し、「インターネット登場以後、もっとも影響力のある論客」と評される気鋭のイギリス人ジャーナリストによる新著『「マイノリティ支配」の正体:分断される社会と文化戦争の罠』の第7章から一部を抜粋・再構成してお届けする。

もしも「空気の値段」が決まったら

そう遠くない未来のある時点で、政府がこんな発表を行ったと想像してみてほしい。

『「マイノリティ支配」の正体:分断される社会と文化戦争の罠』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら

「皆さんの呼吸する空気が民営化されます」。

空気の品質が低下すれば、空気の販売権を地域ごとに認可する政府との契約を失うことになるからだ、と。

成長重視のマニフェストを掲げて選出された首相は、国の空気政策の転換を、新たな夜明けの始まりと喧伝する。しかし空気の清浄化は一向に実現しないように見える。

政府は代わりに「微粒子クレジット」の制度を導入し、汚染物質の排出量を規定の基準内に抑えた企業は、その超過分を、基準をオーバーした企業に売却できる仕組みにする。

風邪は長引くようになり、タバコも電子タバコも吸っていないというのに、普通なら全快している時期を過ぎても、不快な咳が何週間も続く。富裕層のマンションや家屋には、家庭用の空気清浄システムが据え付けられている(もちろん、その分だけ貧困層の住む地域の大気汚染度は増す)。しかし運悪く貧しい暮らしを送っている人々は? 空気会社から提供されるものを、何であれ我慢して呼吸し、その料金を支払い続けるしかない。

2/5 PAGES
3/5 PAGES
4/5 PAGES
5/5 PAGES

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

政治・経済・投資

人気記事 HOT

※過去1ヶ月以内に配信した記事の閲覧数