こうした巨大企業が、列車に乗ったり、家を暖房したりといった人々のニーズをてこにして、自分たち自身のために最大の利益を引き出すことができるのは、資源を必要とする者と、それへのアクセスを管理する者との間に、力の不均衡があるからだ。
彼らは創造もせず、建設もせず、改善も滅多に行わない。彼らが唯一やり方を知っているのは、その会社が傾き、別の買い手が──というか、現実には政府が──再び介入せざるを得なくなるまで、株主のために金を吸いあげることだけだ。
IT企業が支配する「デジタル封土」
アマゾンは本当に小売業者なのだろうか?
実のところ、同社が自社で製造している製品の割合は小さい。世界のクラウド・インフラ市場で3分の1近くのシェアを握るアマゾン ウェブ サービスは、2024年4月までの12カ月間で250億ドル以上の利益を挙げた。
ヤニス・バルファキスが著書『テクノ封建制』で論じるように、消費者がアマゾンやアリババで購入する製品を実際に製造している企業は、領主や国王に隷属する臣下のような地位に置かれる。
バルファキスが「クラウド領主」と呼ぶアマゾンやアップル・アップストアなどは、商取引が行われる空間を支配し、「レント(地代・小作料)」の形で利潤の多くをかすめ取るのだ。彼らは、これらの巨大ITが「デジタル封土」を経営していると説く。
今日の「従来の資本主義的な製造業者は、クラウド領主の意向に従って商品を販売する以外には選択肢が持てなくなりつつあり、その特権を得るために手数料を支払ったり、クラウド領主との間に、封臣と封建領主のそれと何ら変わらない関係を結んだりしている」。

