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前回までは、土浦が「周辺から人を集める中心都市」を目指し、つくばが「外へ出なくても暮らせる自己完結型都市」として発展したことを見てきた。
では、40年後のいま、それぞれの駅前はどうなっているのか。実際に歩いてみると、両市の違いは、想像以上にはっきり現れていた。
整然としているのに、人の姿が見えない街
つくば駅前に降り立って最初に感じたのは、「計画都市らしさ」だった。歩道と車道はペデストリアンデッキで完全に分離され、横断歩道を待たずに移動できる。街路樹は整い、公園も多い。建物の高さや配置にも統一感があり、「計画的に作られた街」であることがすぐにわかる。
一方で、歩いていて不思議な感覚もあった。駅の利用者は多いのだが、改札を出た人々はそれぞれの方向へ散っていき、すぐに視界から消えてしまう。ペデストリアンデッキですれ違う人はまばらで、公園にも人影は少ない。人がいないわけではないが、人が「とどまっていない」印象を受ける。
さらに奇妙だったのが、歩き続けるほどに方向感覚が狂うことだ。碁盤の目状の街なら、自分がどちらを向いているか把握しやすい。しかし、つくば中心部は一部で道が45度に曲がっており、自分が今どこに向かっているのかわからなくなる。似たような景色が続くことも重なって、地図を見ているのに道を間違うといったハプニングもあった。
実はこの道の角度には理由がある。設計者は「グリッド状だと視線が通りすぎる」としてあえて45度の道を入れ、街らしさを作ろうとした。ただし当時から「宅地の価値が落ちる」と批判もあったといい、設計者自身もその点を認めている。(『建築ジャーナル』2022.9)
