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「拡張」から「収縮」への戦略的転換
人生後半において、最初に放棄すべき前提があります。それは、「努力は蓄積し、いずれ報われる」という考え方です。
この発想は、長らく日本社会において半ば常識として受け入れられてきましたし、実際、一定の時代においては現実とも整合していました。
たとえば、近代日本における官僚制や企業社会、あるいは軍隊的な序列システムの中では、時間の経過そのものが価値の増加を意味していました。勤続年数は信用であり、経験はそのまま評価へと転化されていたのです。
こうした構造の中では、努力は時間とともに蓄積し、やがて一定の成果として回収されることが期待できました。

