法医解剖医が普段使っている解剖器具をご紹介しましょう。下の「解剖器具リスト」は、私が普段の解剖のために解剖室に常備しているレギュラー道具です。日替わりで法医解剖医が変わる施設であればまた別ですが、道具にはそれぞれの医師によってこだわりがありますから、リストの内容はあくまで私のケースです。
「お玉って味噌汁を注ぐときの?」と疑問に思う方もいるかもしれませんが、次ページから主要な道具をどのように使っているかを簡単に解説していきます。
おたま(大・中・小)
このリストの中で一般の方にも一番馴染みがある道具は、「おたま」ではないでしょうか。味噌汁やスープをすくう「おたま」は、大中小とサイズが異なる3種類を常備しています。私たちは「おたま」と呼んでいますが、これらは実はレストランの厨房でごく一般的に使われるレードルです。このレードルは、大=100cc、中=50cc、小=30ccと1杯あたりの容量が書かれており、もち手の部分はまっすぐになっています。メスで体を開いたあと、腹腔内(お腹の中の空間)や胸腔内(肺が入っている空間)に液体が溜まっている場合は、このレードルですくって検査をします。
