東洋経済オンラインとは
ビジネス

「給料は経費じゃなく投資」「1円も買い叩くな」山梨のスーパーで、元ファーストクラス料理人や銀座パティシエが働く理由

13分で読める
調理中のまるさん
店内の厨房で調理中の元ファーストクラス料理人、まるさん(写真:ひまわり市場提供)
2/7 PAGES
3/7 PAGES
4/7 PAGES

修仁郎料理長が、「お客さんの懐に入るのがうまい。いつも刺激を受ける」と太鼓判を押すヒライデさんの接客にかかると、年間2万3000本のワインが売れる。入社3年でワインの売り上げは約3倍に。1本3万円のワインを1人の客が12本買って帰ったこともある。

選りすぐりのワインが並ぶワインコーナー(写真:ひまわり市場提供)

ヒライデさんに客の懐に入る秘訣を問うと、こう教えてくれた。

「マズいワインって、私はないと思っています。お客様の好みに合ったワインを提案する。そうすれば、どれも美味しいワインになりますよね」

品質管理も徹底する。安定した品質で提供できないのであれば、たとえ売れ行きのいい流行りのワインだとしても取り扱わない。メーカーが丹精込めて作ったワインを、飲む直前でダメにしたくないからだ。

「お客様がそのメーカーのワインを初めて飲んで、品質管理の甘さのせいで『美味しくない』と感じたら、その味が『メーカーの味』と思ってしまう。それが、すごく嫌なんです。この仕事は、前職の仲間が一生懸命つくるワインはもちろん、世界中のワインを扱えます。私との会話をきっかけにワインにハマって、ワインのお店をはじめた人もいます。いろんなお客様との、ワインを中心にしたやりとりが一番好きですね」

座右の銘は、「酒の一滴は血の一滴」。ヒライデさんは今日も、「どんなお客さんが来てくれるかな」とワクワクしながら酒売り場に立つ。

日本ワインだけで約340種類を取り扱う。接客中のヒライデさん(写真:ひまわり市場提供)

「五番街のマリ」が4年で売り上げを13倍にした

「社長と話していたときに、私が以前銀座でパティシエをしていたと伝えたら、『銀座の何丁目で?』と聞かれて、私が『えーっと』って言っている間に『五番街のマリだな!』って昭和歌謡を持ち出され、あだ名を付けられました(笑)」

4年でスイーツの売り上げを13倍にしたのが、「五番街のマリ」さんだ。銀座の一流洋菓子店でパティシエをしていたマリさんは、家族の移住にともない八ヶ岳へ。スイーツに携わる仕事は好きだったが、製菓店での勤務は過酷であったため、ふたたび洋菓子店で働くことに躊躇していた。

次の仕事までの「つなぎ」として、近所のひまわり市場でレジ打ちアルバイトを始めることに。仕事に慣れた頃、那波さんから「スイーツの製造工場を作る野望」があることを聞かされ、心が動いた。

5/7 PAGES
6/7 PAGES
7/7 PAGES

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ビジネス

人気記事 HOT

※過去1週間以内の記事が対象