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日本人のいびつな対中優越感が根底にある日中対立、その解消と現実的な関係構築で思い出すべき明治時代の偉人の助言

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明治期の日本と清朝との関係を振り返ると、現在の日中対立と同様な構図が浮かんでくる(写真:Cheng Xin/Getty Images)
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南海先生は、風雲急を告げる東アジアにおいて、日本の立場をめぐって戦わされる交戦論と非戦論に対し、両方を牽制した形で同盟論を展開する。

「その大きな国というのがアジアにあるとしたならば、ただちに同盟して兄弟国となり、すわというときにはたがいに援けあう、そうすることによって、それぞれの自国の危機を脱すべきです。やたらと武器を取って、かるがるしく隣国を挑発して敵にまわし、罪もない人民の命を弾丸の的にするなどというのは、まったくの下策です」(前掲書、105ページ)

中江兆民が残した助言

現在の台湾問題から発した対中問題を議論するとき、100年以上前に書かれた中江兆民の『三酔人経倫問答』は、大きな示唆を与えてくれる。

それは非武装中立、非戦論と弱肉強食、交戦論という極端な議論を、いったんほぐしてくれるからだ。理想と現実、いずれに傾いても危険であり、じっくりと現実を見、さらにしっかりとあるべき姿を描くことの大切さを教えてくれるからである。

現在の台湾問題をめぐる中国との関係悪化は、中江兆民の時代と違う。彼の時代は、存在感を増す日本が、存在が希薄となりつつある中国をどうするかという問題だった。しかし今では、勢いを増す中国の存在感に対して衰退していく日本がどのように立場を守るかという点で、攻守逆転である。

だが、基本的視点が変わっていないことは重要だ。アジアで最初に西欧化した日本という意識がいまだに抜けきれていないということだ。

だからこの期に及んでも日本が「西欧的社会」としての優越感を持ち続けたままでいるということだ。かつて清朝の中国が「アジアの雄」として、日本に対してはかない優越感をもっていたのと同じだ。

その意味で日本は中国だけでなく、ますます全アジアに対しても孤立を深めている。アジアがアジアとして誇りを持ち始めた時代において、「西欧化された日本」の優越感はかえって邪魔なのである。それは19世紀における西欧化の前で「アジアの雄」であることが優越感にならなかったのと同じである。

ここらで虚心坦懐、入亜へ逆戻りする覚悟も必要であろう。何よりも重要なことは、色眼鏡で相手を見ないことだ。実際にお互い交流してみるにしくはないだろう。

幸い、自由な日中交流の機会は、今も失われてはいないのだ。「青色の眼鏡をつけてものを見るときは、見る所として青色ならざるはなし」(前掲書、203ページ)

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