その際、シャリに生肉をのせるのに比較的生肉も扱いやすい馬肉に着目し、「仕事馬」の流れもあり馬肉をシャリにのせて“肉寿司”とした。今となってはあまり知られていないが、肉寿司のスタートは「馬肉」なのである。
これが大ヒットし、店舗を展開していく。そして25店舗まで展開した2017年、スパイスワークスからガーデンへと売却された。
それから10年弱。現在、ガーデンの「肉寿司」の店舗は食べログの「『肉寿司』店舗一覧」で確認できるものだと6店舗と激減している。一時は栄華を極めた「肉寿司」だが、ブームに乗って世の中に模倣があふれた。そして、中には形だけ真似した粗悪な肉寿司も氾濫したことで、陳腐化していったのではないか。ネットでは「肉寿司を出す居酒屋は地雷だ」とさえ言われている。
「0秒レモンサワー」をヒットさせた会社
2026年5月、この「肉寿司」をガーデンから譲り受けたのがGOSSOだ。その代名詞的な業態は、「0秒レモンサワー 仙台ホルモン焼肉酒場 ときわ亭」。各テーブルに設置された炭酸サーバーから、レモンサワーをお客自身が注いで飲み放題できる仕組みを打ち出した居酒屋で、2019年12月にスタートした。
「0秒」という耳に残るネーミング、自分で注ぐという体験性、そして飲み放題のわかりやすさ。いかにもSNSで話題になりそうなキャッチーさを備えた業態で、20代の若者を中心に支持を集めた。
ここで前編の「秋葉原 肉寿司」を思い出してほしい。耳目を引くネーミング、SNS映えする盛り付け、食べ放題というわかりやすい打ち出し、そしてネット予約を軸にした集客――。なるほど、あの店づくりとGOSSOの「0秒レモンサワー」は、どこか同じ匂いがする。
